

[公開日] 2025年6月9日 午前6時12分(オーストラリア東部標準時)
[質問] シャーリーズ(8歳)、オーストラリア、メルボルン
[答えてくれる先生] Dr Katharina J. Peters

イルカ (dolphins) が波間から飛び出し、空中で華麗なアクロバットを披露する映像を見たことがありますか?あるいは、実際にイルカのジャンプを見たことがあるかもしれません。
イルカがジャンプすると、全身を水面から突き出すことができます。楽しそうに見えますが、大変な作業であることも間違いありません!
では、なぜイルカは水面から飛び出すのでしょうか?いくつかの理由が考えられます。さあ、飛び込んで探ってみましょう。

連絡を取り合うために
イルカは社会的な動物で、群れで生活します。しかし、水中では遠くを見ることが難しいため、イルカは音の力を使って互いに連絡を取り合っています。
音は空気中よりも水中の方がはるかに遠くまで伝わります。イルカがジャンプすると、着水の衝撃で 大きな音 が鳴り響き、遠くまで聞こえます。
ハシナガイルカ (spinner dolphins) のような種は、特に夜間にはジャンプすることで群れの他のメンバーに自分の位置を伝えます。これは、仲間同士が互いの位置を把握するのに役立ちます。
ちなみに、ハシナガイルカは非常に優れたジャンプ力を持っています。その名前 (spinner dolphin = 回転するイルカ) の通り、着水するまでに空中で最大7回転します!
スピードの必要性
水中を歩いたことがありますか?その大変さを実感したことがあるでしょう。水は空気よりも密度が高いため、「抵抗: resistance」、つまり「逆方向に引っ張る力:drag」が生じるからです。
イルカは抵抗を減らすために流線型の体 (streamlined bodies) をしていますが、それでも抵抗を感じています。そのため、捕食者 (predator) から逃げたり、魚を捕まえたりなど、速く移動したい場合、ジャンプすることがあります。
空中にいるときは、水中にいるときよりも速く移動でき、エネルギーも節約できます。

餌を集めるため
ヘクターズイルカ (the Hector’s dolphin) のように体重が50キログラム未満のイルカもいます。一方、シャチ (an orca) のように数トンのイルカもいます。
いずれにせよ、イルカが水面に飛び込むときには、かなりの水しぶきを立てます。
ハラジロカマイルカ (dusky dolphins) など、一部のイルカは、この水しぶきの音を利用して魚を水面に集め、捕獲しやすくします。
ヒッチハイカーを振り払う
コバンザメ (remoras) と呼ばれる魚は、頭の吸盤 (sucker) を使ってイルカに吸い付きます。これはコバンザメにとって良いことです。彼らは安全を確保できるだけでなく、小さな寄生虫 (parasites) や古いイルカの皮など、餌が豊富にあるからです。
コバンザメはイルカを傷つけることはありませんが、おそらく動きを遅くするでしょう。そのため、イルカは ジャンプして 小さなヒッチハイカーを振り払おうとするのです。
喧嘩とふざけあい
イルカは非常に 知能の高い 動物です。大きな脳 (big brains) を持ち、芸を覚えたり、パズルを解いたりすることができます。その知能には、遊び心 (playfulness) や社会的な行動 (social behaviour) といった他の特性も備わっています。
時には、こうした社会的な行動が「喧嘩: fight」に発展することもあります。イルカの専門家によると、2頭のイルカが一緒にジャンプしている様子は、実は お互いを殴ろうとしている 可能性もあるそうです!
イルカは ふざけあうこと (frolic) も大好きです。イルカ同士だけでなく、クジラ (whales) やアシカ (sea lions) などの他の海洋哺乳類 (marine mammals)、カメ (turtles)、あるいは 海藻と 戯れることもあります!つまり、彼らはジャンプを一種の「ゲーム: game」として行っているのかもしれません。
ご覧の通り、イルカがジャンプする理由は様々ですが、単に楽しいからというだけの場合もあります。

この記事は、クリエイティブコモンズライセンス(CCL)の下で The Conversation と各著作者からの承認に基づき再発行されています。日本語訳は archive4kids の翻訳責任で行われており、The Conversationによる正式な翻訳ではありません。オリジナルの記事を読めます。original article.