[Published: August 5, 2022 6.19am AEST] 187616
[質問]: マフムード、11歳、ブリスベン、オーストラリア
[答えてくれる先生]: Euan Ritchie
ユアン・リッチー 博士
オーストラリア、ディーキン大学 生命環境科学部 統合生態学センター 野生生物生態学および保全 教授
こんにちはマフムード、この興味深い質問に感謝します！
さて、頂点にいる捕食者について考えるとき、あなたは通常どのような種類の動物を想像しますか？ホオジロザメ、ホッキョクグマ、オルカ、ワニ、アフリカのライオン、アナコンダ…おそらくオナガイヌワシ？
世界の頂点捕食者 (Apex predators) が何であるかを決定するには、まず、「捕食者」の種類と、「頂点」の意味を理解する必要があります。
さまざまな種類の捕食者
一般に信じられていることとは異なり、捕食者は、大きく鋭い歯や牙、くちばし、かみそりのような鋭い爪を持つ種だけではありません。 「捕食者」とは、別の生きている種の一部または全部を食べる種、または場合によってはそれ自体の種を食べる種（「共食い (cannibalism)」と呼ばれる）を指します。
捕食者は次のようになります:
肉食動物 (Carnivores)
これらの動物は他の動物の肉を食べます。共食いは肉食動物の特殊な形態であり、動物の世界全体に広がっています。クモ、昆虫、魚、鳥、爬虫類、両生類、哺乳類（人間を含む）など、数百種で記録されています。
草食動物 (Herbivores)
これらは植物を食べる動物ですが、それでも捕食者と見なされています。そうです、カンガルーも捕食者ですが、動物ではなく植物を食べるだけです。オーストラリアでは必ずしもそうではなかったようですが、バルバルーファンガルー (Balbaroo fangaroo)に注意してください。
寄生虫 (Parasites)
これらは、外部寄生虫（ectoparasites）または 内部寄生虫（endoparasites）として別の種に生息する動物または他の生物です。彼らは栄養素のためにこの「宿主 (ホスト)」を食べます。ダニ (Ticks)、ヒル (leeches) 、回虫 (hookworms) はすべて寄生虫の例です。
捕食寄生者 (Parasitoids)
これらは、幼虫が別の宿主生物の上または内部で成長し、それを食べて、結果として宿主を殺してしまう生物です。象徴的な映画「エイリアン」は、架空ではありますが、そのようなシナリオを特徴としています（ただし、それを見る前に数年待つことをお勧めします）。このグループには、スズメバチ (wasps)、ハエ (flies)、甲虫 (beetles)、ワーム (worms) の種が含まれます。
それはすべて環境に依存します
頂点捕食者は、食物連鎖の最上位に位置し、通常は優勢であり、独自の捕食者がいないと見なされるため、「トップ捕食者」と呼ばれることがよくあります。
頂点捕食者は特に大きくある必要はないことに注意することが重要です。彼らはしばしばそうですが、より必要なことは彼らのサイズが彼らが相互作用する種とどのように比較されるか、そして彼らが彼ら自身の生態学的コミュニティ内でどのように振る舞うかについてです。
いくつかの植物やカマキリを含むさまざまな昆虫がいるあなたの家のテラリウムを想像してみてください。ここでは、カマキリが頂点捕食者であることは間違いありません。
今、どこかのフィールドでそれらをすべて解き放つことを想像してみてください。現在、カマキリは、クモ、カエル、鳥、またはその他のより大きな捕食者のメニューに含まれている可能性があります。
カマキリは、コオロギ、バッタ、蝶、蛾、クモ、カブトムシなど、さまざまな種類の他の昆虫を食べます。彼らは、共食いと呼ばれる他のカマキリを食べることさえあります。
「序列 (pecking order)」で他の捕食者より下にある捕食者は、中位プレデター (mesopredators) と呼ばれることがあります。たとえば、オオカミは頂点捕食者と見なされることが多く、コヨーテ（中位プレデター）と競合し、さらには殺すことが知られています。
ただし、オオカミのいない地域では、コヨーテが頂点の位置に上昇する可能性があります。彼らは猫を殺すことが知られており、それは間接的に鳴き鳥に利益をもたらす可能性があります。
オーストラリアでは、ディンゴは頂点捕食者と見なされています。彼らは、カンガルー、エミュー、野生のヤギ、野生の鹿など、さまざまな動物を狩り、食べます。
しかし、世界中の多くの捕食者と同様に、ディンゴは人間によって頻繁に殺されます。
数の危険
私たちの質問は “世界の” 主要な頂点捕食者を決定することに関係しているので、種がどれほど広まっているのかを考慮する必要があります。
灰色オオカミ、シロナガスクジラ、オルカ、ホオジロザメなど、世界中で見られる「頂点」捕食者がいます。
しかし、私の考えでは、人間は明らかに世界の頂点捕食者です。私たちは超捕食者 (super-predator) とさえ呼ばれています！
人間の影響は、陸から海、そして南極から北極まで、地球全体に及びます。
他の捕食者と比較して、私たちは世界の食料資源のはるかに大きな割合を使用しているだけでなく、水や他の天然素材も使用しています。そうすることで、私たちは広範囲にわたる環境への害を引き起こします。
人間は他の頂点捕食者の個体群に壊滅的な影響を及ぼしており、長期生存の可能性を脅かしています。
たとえば、大きなサメが人間を殺した状況もありますが、人間は年間1億匹以上のサメを殺していると推定されています。その結果、多くのサメ種が絶滅の危機に瀕しています。
人間は毎年何百万ものサメを殺し、しばしばそれらを食べます。
幸いなことに、私たちは皆、環境への人間活動の影響を削減し、捕食者などの他の種を保護するための選択を行うことができます。
この記事は、クリエイティブコモンズライセンス(CCL)の下で The Conversationと各著作者からの承認に基づき再発行されています。日本語訳は、archive for kidsの翻訳責任で行われています。Webサイトでオリジナルの記事を読めます。
